子どもと本をつなぐ手法として、長年全国で支持され続け、今なお、学校や図書館などで実践されている「ブックトーク」。ブックトークが日本に紹介されて30年以上の月日がたつ中、これからブックトークをやってみようという方々も多いと思う。 本書は学校でのブックトークを始めるにあたって、紹介する本の選び方やブックトークの組み立て方、多様なブックトークのスタイル、を紹介する入門用書籍。学校で行うことを前提に執筆されているので、ブックトークで紹介するテーマや取り上げる本は、小・中学校の教育課程に準じた内容になっています。 単純に実践マニュアルにならず、基本的な考え方をおさえておける内容にしておく、という編集が感じられます。著者は他の類書に見られるブックトークのシナリオについては否定的な見方をしています。シナリオにしばられること、シナリオ作成の労力、を勘案するとあまりメリットはないという考え方です。たしかに子どもの様子を見ながら即興的に本の紹介を進めていくのが、よいのかとは思いますが、それには、やはり紹介するの本の知識と、ブックトークのある程度の経験が必要なのではないかとも思います。 しかし単なる入門マニュアルにならず、ブックトークの教育的意義をコンパクトにまとまっているので、使える一冊ではないでしょうか。 スレッドテーマ [ 学校・教育 … 読み聞かせ・ブックトーク ]
栃木県では「子ども読書活動推進計画」による活動の一環として、下記のフォーラムを開催する予定です。直木賞作家の森詠氏の講演や図書館などの実践発表があります。栃木県のかたはどうぞ。
主催:栃木県教育委員会 日時:平成20年10月25日(土曜日) 13:00〜16:00 場所:栃木県総合教育センター大講義室(宇都宮市瓦谷町1070) 参加対象者:一般県民、県・市町村等行政関係者、保育関係者、学校教育・社会教育関係者、図書館関係者、読書ボランティア団体関係者等400名(申し込み先着順) 参加費:無料 内容: 講演「ぼくは空想少年だった〜本の世界は子どもの心を拓く〜」森詠氏 子どもの読書活動推進のための実践発表:鹿沼市立図書館・宇都宮子どもの本連絡会 展示「たからものはこの1冊〜色、かたち、物語・・・絵本はこころの小宇宙」 申込締切:平成20年10月17日(金曜日) 詳細や申込方法は栃木県ホームページへ 文部科学省が、タイトルどおりのリーフレットを作成し、全国の自治体に配布しました。また同省のホームページでもPDFファイルで公開しているので、見た方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
公共図書館と見間違ってしまうような、明るくて清潔感あふれる学校図書館で、美少女(主観ですが…)が読書をしているという、一瞥すると「お役所」が作ったような、ひと昔前のイメージではくくれないようなぐらい、デザインも洗練され、よくできたリーフレットではないでしょうか(ほめています)。 「学習の場」「読書の場」という学校図書館の基本的性格をアピールしつつ、学校図書館の「資料」と「人」の重要性を訴え、小・中・高校図書館の活動例を掲載しています。 難を言えば、配架されている本の背表紙がそろわずに書架の奥で押し込められていたり、背伸びをしなければ、手にとれないようなところに配架、背の高い書架が使用されていたり、ちょっと「ん?」と思ったりしますが、リーフレットの性格自体がかなり一般向けだと考えれば、とやかく言うことでもないのかもしれません。 ただ文科省の作成したもので「学校司書」という用語がおおっぴらに使われたのはこれが初めてではないでしょうか。いわゆる「学校司書」として「 」付きではあるけれども、これまでの「学校図書館事務職員」に比べれば、配置の実態や役割、これまでの実績について理解が少しは得られてきたのではないかと感じられます。 また最終ページには、省内で子どもの読書と学校図書館について検討をおこなっている「子どもの読書サポーターズ会議」の座長、片山善博氏(慶應義塾大学教授、前鳥取県知事)が、図書費が道路など他に流用されていると、思い切った苦言を呈しています。これもちょっと今までとは考えられないんじゃないでしょうか。
図書館だよりや図書館報など、学校図書館の広報活動をするにあたり、紙面にメリハリをつけたり、アクセントを与えたり、季節感や内容を一目で表現するのに、イラストや写真を効果的に配置することは、よく言われるし、子どもたちや保護者、教職員への訴求力も一目りょう然に違ってきます。 ただそこで、いつも担当者として苦労するのが、「読書」や「図書館」に関するカットや写真が、簡単に見つからないことでしょう。また著作権も大きなハードルになっていることも一因です。 本書は、そういったカットを中心に、図書館だよりに使える素材約1,000点を収録したもの。 1から12月までの季節のイラスト、読書・図書館を表現したもの、文学作品のジャンルを表現したもの、歴史上の人物のイラスト、図書館報に使用できるようなテンプレートや飾り罫線、NDCのサイン表示が所狭しとならべられています。また掲載イラストの全点を収録したCD-ROMが添付されていて、自由にプリントアウトやワードや一太郎などで作成する図書館だよりに使用できるようになっています。 著作権は、子ども・保護者向けの配布物に使用するのであれば自由に使用可能です。ネットへのアップロードは×です。 イラストのタッチや図柄は少し小・中学生よりかな?と思いました。 埼玉県で11月1日(土)、「文字・活字文化の日」を記念して、「図書館と県民のつどい2008」が開催されます。図書館に関する総合的なイベントで、小学校図書館の実践発表と高校図書館を再現した展示が行われる予定です。
図書館と県民のつどい埼玉2008―図書館で未来を開こう! 日時:11月1日(土) 10:00〜16:00 場所: <第1会場>さいたま市民会館うらわ(浦和駅西口徒歩7分) <第2会場>浦和コミュニティセンター(浦和駅東口 浦和パルコ/コムナーレ10階) 内容: <午前>10:00〜11:45 記念講演「しあわせな時」中川李枝子氏 <午後・第1会場> 分科会1「絵本のある子育て〜家庭から、そして地域へ〜」発表 小田香澄氏(河原文庫・狭山市) 分科会2「学校でこんなこともできる・している」発表1 岡野悦子氏(蓮田おはなしの会)、発表2 福満芳枝氏(川越市立川越西小学校) 分科会3「読み聞かせ講座〜たのしいおはなし会をもつために〜」(小さい子向け)講師 坂本由紀子氏 分科会4「読み聞かせ講座〜たのしいおはなし会をもつために〜」(大きい子向け)講師 大井むつみ氏 <第2会場> 展示「ニュートンからピーターラビットまで〜大学のお宝〜」 展示「Welcome! 高校図書館出張所」高校図書館の日常の再現・実演により、生き生きとした活動を紹介します。 展示「図書館クライシス〜市民の財産を未来につなげるために〜」本の汚損・破損問題をはじめとする公共図書館の問題・課題を展示や事例発表で紹介します。 実技「製本入門〜自分だけの本をつくろう!〜」講師 真野節雄氏(日本図書館協会資料保存委員) 詳細につきましては、埼玉県立図書館のホームページへ。 静岡県立図書館が発行している「静岡県図書館情報メールマガジン」によると、以下の研修会の開催が予定されています。
静岡県読み聞かせネットワーク全体研修会 「子どもと本を結ぶ」〜未来を育む子どもと読書〜 日時:2008年10月26日(日) 12:50〜16:30 (受付12:00〜) 会場:静岡県コンベンションホール「グランシップ」(静岡市駿河区池田79-4) 内容: <第1部・全体会13:00〜> 基調講演:「子どもに本を手渡すこと」〜東京子ども図書館の選書を通して〜 講師:東京子ども図書館 張替惠子氏 <第2部・分科会15:00〜> 第1分科会「コージスキンの世界を子どもたちへ」講師:スズキコージ氏 第2分科会「自然とあそび 自然に学ぶ」講師:静岡自然を学ぶ会代表 池上理恵氏 第3分科会「学校司書から見た子どもたち」講師:県内小中学校司書2名 第4分科会「教育現場から伝えたいこと、保護者・地域・ボランティアに望むこと」講師:静岡県総合教育センター静岡県教育指導主事 石田直美氏 参加費:無料 詳細は静岡県読み聞かせネットワークのホームページがあります。 大阪で下記のフォーラムが開催されます。
なお、9月13日に東京で同内容のフォーラムが開催され、佐藤学・東京大学教授の基調講演やパネルディスカッションが行われたようです。 子どもの読書環境整備推進フォーラム 「教育・授業改革にとって、学校図書館はなぜ必要か」 主催:毎日新聞社、文字・活字文化推進機構 共催:学校図書館整備推進会議、全国学校図書館協議会、出版文化産業振興財団 後援(予定):子どもの未来を考える議員連盟、文部科学省、東京都教育委員会、大阪府教育委員会、日本PTA全国協議会、日本新聞教育文化財団、日本書籍出版協会、読書推進運動協議会 日時:2008年9月27日(土) 13:30-16:30 会場:大阪商工会議所 定員:200名(先着順) 参加費:無料 内容: 基調講演―北川達夫氏・フィンランドメソッド研究者 パネルディスカッション「教育・授業改革にとって、学校図書館はなぜ必要か」―北川達夫氏(前出)、河村建夫氏(子どもの未来を考える議員連盟会長、元文科大臣)、植田恭子氏(大阪市立昭和中学校教諭)、塩谷京子氏(静岡市立森下小学校司書教諭)、コーディネーター・玉木研二氏(毎日新聞社論説委員) 申込、詳細は文字・活字文化推進機構のホームページまで。
今回は、内容も重量も値段も“重い”2冊を手に取ってみました。 なんせ歴史であり、50年史です。読みごたえがあるし、すべて読み切るのに骨が折れます(…当り前か)。 まずは「年表」、読むというよりは眺めるといった感じで、「学校図書館一般」「学校図書館研究」「図書館・出版」「社会一般」を1年見開きで収めてしまう見やすい、ですがかなり力技な編集でしょう。年によっては、1年で収まるはずはなく、特に終戦直後から1953年の学校図書館法制定までや、1997年の学校図書館法改正前後あたりは2ページになったりするので、時代のダイナミズムを感じることはできます。全国学校図書館協議会(全国SLA)の活動が中心なので、歴史的事象の客観的な評価が完全ではないということと、全国SLAの「50年史」という性格は片隅にとどめて置く必要があるかと思います。 「五〇年史」は戦後学校図書館50年の歩みを、全国的通史・事項史・各県史、資料の4部で構成。B5サイズの500ページ以上の分量なので、かなり読み応えがあります。 通史や事項史はマクロな視点で学校図書館のこれまでの方向性をながめることができますし、各県史は組織史的な色合いが強いものの、学校図書館に関して全国の人々がどう取り組んできたのかを読むことができます。資料は「年表」と重複しないものが収録されています。 「歴史は繰り返す」という言葉を知っているならば、過去を知り、今後に生かす参考書として、よくまとめられていると思います。 全国学校図書館協議会(全国SLA)等が主催の読書事業「読書感想画中央コンクール」の応募要項が全国SLAのホームページで発表されています。
このコンクールは、読書で感じたことを絵画で表現するもので、毎年実施されています。実施主体が同じ「青少年読書感想文コンクール」が春から夏にかけて取り組むものとすれば、こちらは秋から冬にかけてということでしょうか。1年中、コンクールの実施を受けて読書する、というのもなんとなく違和感を感じるが、「読書習慣」というものを子どもに身につけさせるためには、きっかけや機会としては必要なんだろうな、と納得もします。 感想文コンクールと同じで、本を自由に選んで参加するのもよし、指定された本を読んで参加することができます。指定図書は以下のとおりです。 過去の例をみると、同じく主催の毎日新聞社のホームページでも発表されるので、そちらに本の紹介が行われる予定です。 <小学校低学年の部>
<小学校高学年の部>
<中学校・高等学校の部>
「1日10分読書」というと、朝読を思い出すけれども、この本では、「とりあえず10分でもいいから読書しましょう」が積み重なれば、知らぬ間に読書好きになっているということにポイントをおいて、とにかく「無理をしない」という意味で使われています。 本書は「行動科学」という考え方に基づいて、子どもを読書好きにさせる方法を解説。 「行動科学」とはアメリカで生まれた考え方で、50年以上前から研究されている分野。おおざっぱにまとめれば、人間の行動に対し、その共通する原則を見出し、そこから人間の行動を変えるには、どういった必要な行動をとればよいか、ということを徹底的に解析する学問分野だそうです。ビジネスの分野ではでそれなりの成果を上げているそうで、いかにも分析を徹底的に細密化して、マニュアル化すれば万事うまくいくはずだ、と考えそうな、アメリカ的な学問だと思う。 ここでは、子どもを読書に向かわせるために、必要な行動(メリット)を増やす方法と不必要な行動(デメリット)を減らす方法を提示。その方法とは、意外にも、読書環境を整えることや目標を決める、ほめる、読書体験を伝えさせる、などと読書指導で定番の方法が並んでいる。確かに巻末の参考文献を見ると、著者は読書指導の単行本に目を通しているようで、そこから自身が選んだ読書推進の方法を「行動科学」の手法で実践しているのかなとも考えられます。 それゆえに、指導方法としては、あまり新鮮味が感じられないけれども、普段行っている読書指導なり読書活動を分析的に見ると、こういった分析が行えると考えると、興味深く読める内容ではないでしょうか。ページ数の割にはすぐ読めます。 巻末に「中学受験に出題された名作リスト集80」を収録。
書籍、新聞、携帯メールのメッセージ、チラシ、漫画、ウェブサイト、これらはみな「読まれるもの」として共通の性格を持っている。そして、読まれるもの=テクストを含んでいる。しかし、その「読まれ方」は媒体によって、読む人それぞれによって異なり、読まれることによって新たな意味を次々と創出していくものであるという。 本書では、痕跡の残りにくい、こういった読書行為(読書の姿や読書のふるまい)の歴史を19世紀の西欧を中心にさかのぼる。 19世紀の西欧では、現在に世界中に見られる出版産業の基礎が成立した時期だそうで、下記のもくじからもうかがえるように、読書室から書店へのインフラの成立、新聞ジャーリズムの成立と新聞で花開いた連載小説と印税システムによる職業作家の誕生、文学市場の形成が見られ、急速に「読書」という行為が人々の間に広まっていったこと、いわゆる「読書の民主化」がうかがえる。 一般的に活字メディアが一般大衆に広まった契機となったのは、15世紀のグーテンベルクの活版印刷術の発明が有名だが、実際には、印刷術の急速な発展は19世紀からであり、出版産業の興隆との相乗効果によって、今日のような読書の形が出来上がったと考えると、興味深い内容の本ではないだろうか。 巻末に参考文献一覧を短い解説つきで掲載。類書を中心に掲載されている。 目次はこちらを参照。 各新聞でも報道されているとおり、文部科学省の全国学力テストの結果が公表されている。
今年で確か2回目になるテストの結果に、得点数の高低に焦点を置いた報道が大半のようである。 筆者は文科省の公表資料をまだみていないので、調査結果について客観的なコメントはしないが、注目すべき点は、図書館活用や読書活動が、何らかの点で学力の向上に寄与していることが、テストの結果からうかがえるということである。 以下、ベネッセのサイトの記事からの一部引用です。全文はリンクを参照してほしい。
こういった調査結果をもっと効果的に文教行政に結びつければ、日本の教育は変わっていくと思うのは、筆者だけだろうか。 このタイトルに関しては、もう少し加筆したいと考えている。
北海道小樽市で1989年から活動している「絵本・児童文学研究センター」。この本は、センター主催の児童文学の基礎講座をもとにまとめあげられたもの。 小学生を中心に、その心の成長・変化を追いかけながら、子どもと読書の関係をまとめている。(補遺的に、中学生から一般までも1章を立ててまとめている) 前半は子どもの成長過程を中心に、スタンダードな児童書や絵本を例に述べていくが、年齢(学齢)が上がるにつれて、文学のジャンル(ファンタジー、歴史文学、伝記文学など)別に、成長過程が述べられていくようになるなど、読んでいて構成にムリを感じてしまうこともある。 しかし、文中に多くの作品、特にこういった児童文学研究の書籍では、評価の定まったいわゆるロングセラーの作品が取り上げられる傾向があるが、本書では大体1960年代〜2005年ぐらいまでの作品を幅広く、積極的に取り上げようとしていて、これから子どもの読書に関わろうとする人にとっては、児童文学や絵本に対する視点・観点を養うのに参考となるのではないだろうか。 巻末に文中で取り上げた作品一覧をつけている。 目次はこちらを参照。 |
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